「審判に負けた」との声が日本中から上がるのも無理のない敗戦だった。日本代表のホーム(埼玉スタジアム)でありながら、アウェーのような状況。しかし、ファウルを積極的に取る傾向の見える主審を見て、ロングボールをディフェンスラインの裏に蹴りこみ日本代表のファウルを誘おうとするUAEが、主審の心に入り込んだという意味でも勝利者の条件を満たしていたのかもしれない。UAEのその戦法は前回の試合と同じものだったが、日本は明確な対応を取りきれていなかった。

サポーターらに挨拶する本田圭佑=9月1日、埼玉スタジアム2002
サポーターらに挨拶する本田圭佑=9月1日、埼玉スタジアム2002
 試合後、ハリルホジッチ監督が、「なぜこのような先発メンバーを選んだのか、自分に失望している」という趣旨の発言をした。長友、槙野智章、柏木陽介をケガで欠いている難しさはあった。しかし、監督のこの発言を日本代表の選手自身、そしてサポーターはどんな思いで受け止めただろう。私には初戦黒星という厳しい結果以上に、監督が自分自身にレッドカードを出した、白旗を揚げた、その深刻さを感じる。その言葉は辞意表明にも等しいのではないだろうか。

 「最終予選を戦うには時間が足りなかった」海外組の合流のタイミングなど、監督の希望とは違う現実もあっただろう。だが、日程はすでにわかっていた。戦いの舞台で、してはいけない「言い訳」が多かったのも気になる。

 大会前に示されたデータは、必ずしも今大会には通じないと感じている。なぜなら今大会は初戦から強豪同士、双方とも高い確率で本戦出場の可能性を秘めるチーム同士が対戦しているからだ。試合は全10試合。長い間隔をはさみながら1年余にも及ぶ。巻き返しは十分にできる。だが、この指揮官であと1年をやっていけるのか。そのことに不安を抱いた。私は、結果が出なければ大会中でも監督を更迭し交代させるサッカーの常識にあまり馴染めない方だが、今回はそのことが強く印象に刻まれた。