宮崎 産経新聞の加藤前ソウル支局長が在宅起訴されたことについて、アメリカの民間団体「ジャーナリスト保護委員会」は、「こういう名誉毀損罪は廃止されるべきだ」と訴えていました。
 民主主義の促進などをめざして国際的に組織されている「民主主義共同体(コミュニティ・オブ・デモクラシーズ)」も、「事態改善に向けて早急に行動すべきだ」と主張していました。この民主主義共同体には、韓国も主要メンバーとして入っています。
 こうやってアメリカのジャーナリスト団体が抗議行動を起こしているのに、日本のジャーナリストはほとんど何もしていない。保守論壇のなかには、産経新聞を支援する動きはかなりあるけれど、普段から言論の自由を声高に主張している日本ペンクラブや日本文藝家協会などは、何をやっていたのでしょうかね。
 日本ペンクラブは、一応は抗議声明を出してはいますが、声明を出したのは「国境なき記者団」よりも後ですからね。自国の問題なのに、国際的に韓国への批判が高まるのを見届けてからようやく出したという感が否めない。それに、こうした会に加盟している作家やジャーナリストたちが、韓国政府に対して抗議デモを行ったという話も聞かない。

室谷 もともと、これらの組織はいわゆるリベラル色が強いですからね。本来、リベラルとは左右の全体主義イデオロギーから解放された人々だったのに、いまや左の全体主義者の巣窟になりつつありますね。
 それにしても、この裁判の判決公判は、一度、延期されていますよね。もともとは11月26日に開かれるはずだったのが、その3日前に裁判所が急遽、延期を決めたわけです。しかも、その理由が「熟慮する必要があるから」というのだからお笑いです。
 延期した間に外交部が寛大な措置を求める公文を提出して、それが無罪判決の決め手になったわけですから、これまたお笑いです。
 1891(明治24)年の大津事件(来日したロシア皇太子ニコライが滋賀県大津町で警備にあたっていた警察官・津田三蔵に斬りつけられ負傷した暗殺未遂事件)の際、「犯人を死刑にすべし」という内外の圧力に屈せず、法治国家として当時の法が定めるとおりの無期徒刑の判決を下した児島惟謙のような気概もない。児島惟謙を基準にすると、韓国の司法は日本より100年以上遅れていますね。

宮崎 韓国には、司法の独立は本当にないですね。中国も司法の独立というのは、あるように見えて、実は全部、共産党の命令のもとに判決が出ているわけですが。