宮崎 2015年の年末にかけて、日韓関係に影響をおよぼすような事件や出来事がいろいろ起こりましたね。
 2015年11月23日に、靖國神社のトイレに手製の爆発物が仕掛けられ、それが爆発したという事件がありました。その容疑者である全昶漢(チヨンチヤンハン)は、約2週間後(12月9日)に再来日したところを逮捕されました。すでに日本ではその前から、部品にハングル文字が書かれていたとか、監視カメラに容疑者が映っていたなどということで、来日した韓国人が怪しいと報道されていた。 全昶漢は再来日の理由を「日本の記者から質問されたから、靖國神社のトイレがどうなっているか確認しに来た」などと言っていましたが、どうも話としておかしいですね。
 勘ぐると、日本と韓国には犯人引き渡し協定があるため、日本の警察が犯人だと断定すれば、韓国に対して身柄引き渡しの要求をすることになる。しかし、靖國神社を爆破しようとしたとなれば、韓国ではヒーロー扱いになるので、世論を気にする政府としては引き渡し要求があっても拒否したい。とはいえ、犯罪者だから、そういうわけにもいかない。
 だから、「自首に行ってこい」というように容疑者に圧力をかけた、ということではないですか。
ソウルの日本大使館前の慰安婦像。足元に追悼プレートが新たに設置された= 4月7日、ソウル(名村隆寛撮影)
ソウルの日本大使館前の慰安婦像。足元に追悼プレートが新たに設置された= 4月7日、ソウル(名村隆寛撮影)
室谷 そういう説を唱える人がいますけれども、私はちょっと半信半疑ですね。それが本当だとすれば面白いけれど、あまり信憑性(しんぴようせい)がないと思います。
 最初は否認していた容疑者も、「前回がうまくいかなかったから、再度、仕掛けようと思った」と供述していますし、荷物には火薬らしきものが入っていたとも報じられています。
 その日のうちに帰るための航空チケットも持っていたようですしね。

宮崎 来た日のうちに帰国するための航空チケットということは、割引チケットではないですよ。割引チケットには、最低2泊しなければならないという規定がありますから。そうなると正規料金ということになりますが、その資金はどこから出たのかという疑問が残ります。
 また、初回、再来日時と、2回も爆発物の原材料となるようなものを機内に持ち込めたということも、不思議ですよ。もしかして、爆破事件そのものも、韓国政府筋の差し金ということはないですか?

室谷 さすがに、それはないでしょう。だいたい、韓国では、出国の際の手荷物検査が緩いのです。もちろん、X線検査はやっていますが、きちんと見ているかは疑わしい。何事も、「ケンチャナヨ(大丈夫)」の国ですから。
 一方で、入国審査は厳しいのです。呉善花(オソンフア)氏が「反韓的な活動をしている」ということで入国禁止になるくらい厳しい。
 だから、容疑者が機内に火薬を持ち込めたのも、それほど不思議ではないのです。この全昶漢という男は、韓国空軍に5年半在籍して、下士で除隊したばかりでした。空軍下士というのは、旧日本軍でいえば伍長です。
 韓国では2年間の徴兵で、最初は2等兵、3カ月で1等兵、それから7カ月で上等兵、そして最後の2年目には全員が兵長になります。伍長というのはその次の上の位なのですが、徴兵終了後3年半も軍に在籍していたのに伍長のままだったということは、かなり出来が悪いと思いますよ。