果たして、これが開幕ダッシュの一時的なあだ花なのか、このまま確かな成長と活躍を続けるのか、今季の巨人の浮沈を握るカギのひとつだろう。

野球賭博への関与を認めて謝罪する巨人・高木京介投手 
=3月9日、東京都千代田区の巨人球団事務所(撮影・矢島康弘)
野球賭博への関与を認めて謝罪する巨人・高木京介投手 =3月9日、東京都千代田区の巨人球団事務所(撮影・矢島康弘) 


 阿部慎之助もやがて一軍に上がり、活躍の機会をうかがっている。一塁には好調ギャレットが立っているから、阿部がどのようなポジションで力を発揮するのか。レベルの高い捕手併用が実現すれば、さらに戦力は高まることになる。うれしい誤算から生まれた新たな選択肢をどう活かすか、高橋由伸監督の手腕が試されるところでもある。

 野球賭博に端を発し、金銭授受問題にまで発展した球界の不祥事は、開幕すると想像以上に重かった空気がずいぶん明るく転換したように感じる。開幕の華やぎで体質改善をうやむやにしてはいけない。問題の本質を見極め、新たな道を共有する必要があるだろう。高校野球のニュースを見ていて、同じ根を持つ社会の体質をひとつ感じたので、ここでみなさんに問いかけてみたい。



 今春の選抜高校野球選手権から、ネット裏の席に連日、地元の少年野球のチームが招待されることになった。
2013年8月の第95回全国高校野球大会。 
ネット裏最前列にラガーさん(円内)の姿がみえる。
2013年8月の第95回全国高校野球大会。 ネット裏最前列の定位置に座っていたラガーさん(円内)。 
 高校野球の熱心なファンならばご存じだろうが、ここ数年、ネット裏の席に早朝から並んで陣取り、他の観客にストレスを与えているグループが話題(問題)になっていた。今回の企画を聞いて、そのグループを排除するためだな、と思った人も少なくないだろう。私もそう感じたし、ネット上ではそのような推測が盛んに発信されている。

 だが、高野連はそれとは無関係との姿勢を貫き、あくまで地元の少年たちに高校野球に親しんでもらうためだと説明している。もちろん、余計なことを言えば角が立つし、高野連の態度は当然とも言えるが、多くの人が本音と建前をそこに感じる。そのようにして、いまの日本社会は、本当の話をしない、できない風潮になっていないだろうか。プロ野球の金銭授受問題も、まな板に上がっている選手たちを、自分の日頃の生活や習慣、例えばゴルフで握るとか、それをまるでないもののような前提で批判する。それでは本当の解決策も、あるべき社会常識の形成も難しいと思う。本音で語る場所があってこその建前だと思う。