さらに新入社員の入社時では、必ず一人一人に人材育成担当者をつけています。主な目的は「新しく入った人が働きやすいようにサポートする」ことです。1on1(1対1)の対話を入社時にまず行い、その後3カ月間で毎月1回そうした機会を設けています。「何が分からないか分からない」や「誰に聞いたらよいか分からない」というのが新入社員が抱く入社時の状況です。

 だからこそ1on1で心理的安全性を確保しつつ、メンバーの不安を軽減しています。また、毎週オンラインチャットで重要なお知らせのリマインドや1週間の出来事を発信しています。事務連絡だけではなく、絵文字を使いながら語りかけるような口調でお知らせすることが心理的安全性を与えるためのポイントです。

 テレワークでは、相手のスケジュールに合わせ続けると結果的に長時間労働になりかねません。そのため会社が与えてくれる施策にだけ頼るのではなく、自分自身の状態を管理することも大切です。最後に、「サイレントうつ」を防ぐセルフコントロール方法についてもご紹介したいと思います。

 まず、不調になったときの相談先一覧を作っておきましょう。何かあった際は速やかに報告・連絡・相談を行うことで、一人で抱え込まずに周囲の人と一緒に解決策を考えることができます。

 そして、そもそも「サイレントうつ」にならないために、仕事とプライベートをきっちりと分けるようにしましょう。休憩時間を定期的にとり、メリハリをつけた生活にすることで、長時間労働を防ぎます。就業時間以外は会社のパソコンを見ないなど、物理的な工夫も大切です。緊急時以外の連絡には終業時間外に対応しない癖をつけることで、メリハリをつける習慣ができます。

 また、自分の仕事を可視化し、やることリストをメンバーに公開しておくこともよいでしょう。仕事のキャパシティーやスケジュールをメンバーに共有することで、自分だけでなくチーム全体が業務量を把握することが可能です。日々の仕事では休む時間や休日をカレンダー機能に入れておくことで、自分なりの休むペースを作るだけでなく、可視化することができます。

 私自身、テレワークという働き方をしていますが、「テレワークが絶対によい」と考えているわけではありません。出社することで、一堂に会するメリットもありますし、一方、テレワークでは通勤時間がなくなることで、生産性が飛躍的に向上する部分もあります。
写真はイメージ(ゲッティイメージズ)
写真はイメージ(ゲッティイメージズ)
 それぞれの特徴のよいところを生かして、出社とリモートワークを取り入れたハイブリット的な働き方を推進できるのが一番よいのではないかと思っています。そして仕事を一生懸命することも重要ですが、「一生懸命、休む」ということも本当に大事です。まずは心身ともに健康であること、つまり身体が資本です。その上で仕事のやりがいを追求したり、余暇や学習を楽しんでいけたらいいなと考えています。

 自分の身体と心を守れるのは、自分自身です。セルフコントロールをしながら、仕事を含めて人生を楽しんでいけたら、とてもすてきなことですよね。だからこそ私自身、皆さんの働き方や生き方が、より豊かになるような選択肢を増やせるよう努めていきたいと思います。前例のない働き方が求められる中で、今回のテーマが少しでもこのコロナ禍で役立てば幸いです。読んでいただき、ありがとうございました!