企業として講じることができる対策は、「テレワークが向かない人もいる」ということを考慮しながら、会社としての働き方の指針や組織としてのコミュニケーションの方法を決定していくことが望ましいでしょう。

 定期的に社員のメンタルについてアンケートを行ったり、必要に応じて産業医に相談できる環境を整えるなど、「サイレントうつ」に社員が陥ってしまった場合のケアも重要です。

 ここでは企業としてできる、「サイレントうつ」対策として、2つのポイントと施策を挙げたいと思います。いずれの施策にも共通することは、まず「孤独感を感じさせない組織づくり」と、「さまざまな施策の中で、社員が自分に合った方法で、心理的な安全性を確保する」ということです。

 当社で行っている3つの例を挙げると、1つ目は「オンラインコミュニティーをつくること」です。当社では、業務に関するもの、業務外に関するもの(趣味、雑談など)の27個のコミュニティーがあります。いわゆる、オンライン上のサークル活動のようなものです。自分の好きなコミュニティーで業務以外の人間関係を構築することで、心理的安全性を確保することができます。

 また、趣味などに興味を持つことで、仕事の息抜きやリフレッシュにもなります。当社ではコミュニティーを通じて、仕事で一緒になった際にスムーズにコミュニケーションがとれるようになったり、コミュニティーから新たな仕事が生まれたり、組織の活性化につながっています。

 2つ目は「オンラインイベントの定期的な開催」です。当社は世界33カ国に400人のメンバーがいるため、対面で全員が参加することは現実的に厳しいです。しかし、オンラインイベントであれば世界中のメンバーが参加することが可能です。
オンライン開催での花見を楽しむ参加者ら(ニット提供)
オンライン開催での花見を楽しむ参加者ら(ニット提供)
 これまで入社式やお花見、忘年会、バーチャル世界一周旅行などをオンラインで行ってきましたが、基本的にはメンバー同士のコミュニケーションを重視したイベントを企画しています。季節ごとに、時にはクライアントなどを巻き込みながらイベントを開催しています。

 さらに「社長から定期的にメッセージをお届けすること」も意識しています。節目節目で全社会議を実施し、社長から直接メンバーにメッセージを届けることで、会社への帰属や一体感の醸成を創出しています。