そして、J1、J2、J3ごとにセントラル方式を行うとすれば、各地に約20チームずつを受け入れるホテル、旅館などの施設が必要だ。もちろん、日本各地からJリーガーとその関係者が集合するのは、現状では好ましくない。

 しかし、この閑散とした状況で、マナーなどに強く注意もできない一般の旅行者が多少訪れることを期待するより、要求にきちんと対応するJリーグに一括で借り上げてもらった方が、現地のホテルとしては、経営的にも衛生的にもありがたいのではないか。自治体がホテルに休業要請しているケースでも、例外と捉えることは不可能ではないはずだ。

 さらに、選手の不安を取り除くため、セントラルで集合した直後の2週間は、ランニングといった非接触トレーニングのみでコンディションを整え、生活も最大限の警戒をしながら過ごす。そうやって感染の不安を取り除いた後、本格的なチームトレーニングに移行し、試合を迎える。

 仮に選手やスタッフが感染した場合に、軽症者や無症状者を隔離するホテルなどの施設もあらかじめ用意しておく。入院が必要な重症者については、現地を頼るしかないが、できる限り現地医療を圧迫しないよう、対策を取る。

 また、その軽症者ホテルには空き次第で現地の一般患者を受け入れてもいいかもしれない。ここまで対策を施せば、社会的にもOKと、安全を認めてもらえるのではないか。

 この方式で試合を消化しつつ、場合によってはYBCルヴァン・カップもこの方式で行う。そして、状況が許すようになれば、ホームアンドアウェー方式の無観客試合で選手を家へ戻し、次のステップとしては、観客を50%入れて開催するなど、段階的に緩和していけばいい。

 今の状況が6~8月までに好転し、再開できる状態になるとは限らない。むしろ、その予測はあまりに楽観的だ。

 仮に好転しなくても再開可能と認められる案を考え、今、準備に移らなければ、6~8月も流れ、やがてシーズン不成立となる恐れがある。それは、放映権料や広告料を失い、クラブが存続不可能になる事態を意味する。

 2月、Jリーグはいち早く試合延期を打ち出し、対策チームを立ち上げたことで世間の称賛を得た。しかし、延期以上に難しいのが再開だ。
新型コロナウイルス対策の合同連絡会議の設立に関する会見で説明するJリーグの村井満チェアマン(右)。隣はNPBの斉藤惇コミッショナー=2020年3月(加藤圭祐撮影)
新型コロナウイルス対策の合同連絡会議の設立に関する会見で説明するJリーグの村井満チェアマン(右)。隣はNPBの斉藤惇コミッショナー=2020年3月(加藤圭祐撮影)
 今度は「安心」を求める世間を説き伏せつつ、矢面に立って進まなければならない。いよいよ難局だ。

 スポーツや芸能など、数多くの興行が中止と延期を迫られる中、Jリーグには勇気と知恵を与える前進を期待している。理解あるファンはそれを後押しするはずだ。