〔ボールパーク化が進むチーム〕
勝利至上的フランチャイズ型経営:福岡ソフトバンク、広島、北海道日本ハム
サービス至上的フランチャイズ型経営:東北楽天、横浜DeNA
〔ボールパーク化が進まないチーム〕
勝利至上的宣伝媒体型経営:巨人、埼玉西武
親会社依存型経営:阪神、東京ヤクルト、中日、オリックス、千葉ロッテ


 過去10年間の観客動員数が年々増加したチームは、ボールパーク化が進む広島とDeNA、楽天の3球団であったという。広島は2016年からリーグ3連覇を果たす好成績を残している。

 ただ、DeNAと楽天はチーム成績との相関性なく着実に観客動員数を伸ばしており、ファンの定着は勝敗うんぬんだけではないことを示した。一方MLBでは、その要因について既に20年前から着目されている。

 そもそも、わが国の野球観戦ほど、過酷で苦痛なものはなかった。入場ゲートでは、施設管理業者のアルバイトスタッフから笑顔もなしにお出迎えを受ける。

 狭いコンコースをかき分けて観覧席にたどり着いても、視界がダイヤモンドからずれ気味で、お客さんの頭も気になるし、何よりシート間隔が狭い。観客のことを考えているとは到底思えない。

 一息つこうと売り子からビールやつまみを買うが、よくよく考えれば、その売り上げは球団には入らない。周りに顰蹙を買いながらようやくトイレにたどり着くも決して奇麗とは言えない。試合中は鳴り響く鳴り物で会話を楽しむどころではない。この環境で3時間近く観戦するだから、もはや「パーク(公園)」とは似ても似つかない。

 そもそも、なぜスタジアムがボールパークを目指す必要があるのか。答えの一端は、MLBのオープン戦となるスプリングトレーニングキャンプから見て取れる。

 筆者は、毎年3月に米アリゾナ州で行われる通称カクタス(サボテン)・リーグに参加するサンフランシスコ・ジャイアンツに同行している。レギュラーシーズン前とあって、スター選手の出場がまばらにも関わらず、スタジアムは多くのファンで埋め尽くされる。
米大リーグ春季キャンプオープン戦レッズ戦の一回、レッズ・ボットに対して投球するマリナーズ・菊池(右)=2019年2月、ピオリアスタジアム(山田俊介撮影)
米大リーグ春季キャンプオープン戦レッズ戦の一回、レッズ・ボットに対して投球するマリナーズ・菊池(右)=2019年2月、ピオリアスタジアム(山田俊介撮影)
 思い思いにこの空間を楽しんでいるのはファンだけはない。スタジアムのスタッフやボランティアも同じ思いで働くので、その意味ではディズニーランドと変わらない。つまりは、選手を含め、ここで働く人全てが楽しくなければ、来場するファンだって楽しめないのだ。

 思想は内野の芝生にも表れている。外野だけではなく、内野にも天然芝が張られているのは、「プレーヤー・ファースト」の視点だけではない。