それに、保守勢力には、朴政権崩壊の際に朴前大統領の追放を支持した政治家がいる。岩盤層は彼らを「裏切り者」と呼び、決して許さない。

 政権を奪還するには、保守政治家が「反朴」「親朴」の怨念を超えて団結しないとまず無理だろう。保守統合を実現できるのは、朴槿恵しかいない。

 拘置所に収監されていた朴前大統領は現在、左肩手術後のリハビリ治療のため、入院中だ。その病院から声明を発表し、保守の大同団結を呼びかければ可能だ。

 声明では「不徳を国民に謝罪し、反朴姿勢をとった保守政治家も愛国者だ。尹検事総長も許す」と述べる。そして、「国家を救うために反朴・親朴の対立を乗り越え団結してほしい」と訴えればいい。

 韓国では、朴前大統領にこうした行動を取るよう説得している人たちもいる。彼女は偉大な政治家として歴史に残れるかどうか、最後のチャンスを迎えている。

 韓国と北朝鮮を40年以上取材してきた経験からすれば、韓国民の一つの問題に対する関心は3カ月以上続かないと筆者は常に主張してきた。次から次に大事件が起こり、前の事件がかき消されるからだ。

 結局、今回も徴用工や慰安婦問題、「ホワイト国」除外などに対する反日運動は消え去った。だから、燃え盛っているうちに、韓国に手を出すと、日本は大やけどしてしまう。
2019年8月、ソウルの韓国最高裁(奥)前で開かれた集会で、朴槿恵被告の写真をあしらったプラカードを掲げる参加者(共同)
2019年8月、ソウルの韓国最高裁(奥)前で開かれた集会で、朴槿恵被告の写真をあしらったプラカードを掲げる参加者(共同)
 日本の歴代首相が教科書問題や慰安婦問題に慌てて対応して、失敗した歴史が物語る。時間をかけて対応するのが、韓国と北朝鮮への「駆け引きの原則」なのだ。

 高みの見物を決め込めるほどの距離感と、茶番劇との理解。そして儒教文化に関する知識と、左派の悪意を見抜く判断力。韓国政治の解釈には、これらを踏まえて将来を見通す力が必要なのである。